ipadicのライセンスの件

大きな誤解をしていたようです。某所から「ipadic(IPA辞書)はIPAライセンスだから商用利用ができない」と聞いていたので、そうなんだと思ってここ1年同じように書いたり/話したりしてきたのですが、ipadicは商用利用の禁止とかしてないですね(法律の専門家ではないので断定はできないですが)。

Tritonnのバイナリパッケージングについていろいろ検討していて「mecab-ipadic入れたいけど、入れちゃうと商用利用できなくなるんだよなぁ」とまた悩んでいたわけです。でもちょっと気になって、mecab-ipadicのCOPYINGを初めて読んでみたのですが、COPYINGにはIPA(情報処理推進機構)に著作権があるなんて一言も書いていない。というかまず著作権保有者を名乗っているのは、奈良先端科学技術大学院大学です。IPAという文字は一言も入っていない。

どんな内容が書いてあるかというと、まず再配布していいですよとか無保証なので自己責任で使ってねとかBSD系ライセンスにあるような内容。特に商用利用を禁止する文面は書いてない。

その次に書いてあるのはmecab-ipadicの大部分はICOT Free Softwareに由来しているので、ICOT Free Softwareのライセンスにも従ってねという内容。

ほーICOTってなんだと思ってぐぐったら・・・。

こんなページを見つけました。同じようにmecab-ipadicのライセンスで悩んでいた方がいらっしゃいました。上記ページの著者の方はさらにICOT Free Softwareについていろいろ調査をされてまして、まとめると「mecab-ipadicの元となったICOT Free Softwareの"形態素解析辞書"はフリーウェアに近いもの」ということです。(注:上記ページの著者様も法律の専門家ではないので断定はしないとは仰っています)

mecab-ipadicのご先祖様

要するにmecab-ipadicユーザからすると、ご先祖様については既にmecab-ipadicのCOPYINGに転載してありますので、mecab-ipadicの再配布をする場合にはmecab-ipadicのCOPYINGをちゃんと同梱すればご先祖様も含めて全てOKということなんじゃないでしょうか。

私から「mecab-ipadicは商用利用できない」と聞いていた方、済みませんでした。

というわけで、バイナリ作成はTritonn+Senna+MeCab+ipadicでいきますよ。

追加情報

ICOTライセンスは日本語版と英語版で内容が違うとの情報をいただきました。そんなこんなでmecab-ipadicはdebianではnon-freeに分類されたとか。

ただ「関連法令に違反しない限り」少なくとも国内では自由に使えると見て良さそうです。