SMTプロセッサにおける実行効率を向上するリアルタイムスケジューリング

面白そう。

SMT プロセッサでは,ハードウェア資源の競合によって実行効率が変動するので,リアルタイムタスクのスケジュールが容易ではない.また,同時に実行するタスクの組合せによっては,実行効率が低下してしまい,スループットを十分に向上できない場合も考えられる.そこで,本論文では,SMTプロセッサにおけるリアルタイム性の保証及びスループットの向上を実現するために,実行効率を考慮するリアルタイムスケジューリング方式を提案し,その有効性を評価する.提案方式であるU-Linkスケジューリングは,周期タスクの特性を利用して,常に同じタスク同士を同時に実行することで,実行効率の変動を抑制する.また,同時に実行するタスクの組合せを決定する際に,実行効率が高くなる組合せを選択することでスループットを向上する.本論文では,さらに,これまで困難とされてきたSMT 実行におけるタスクの実行時間の予測及びスケジュール可能性についても述べる.評価の結果,従来のリアルタイムスケジューリングアルゴリズムに比べて,U -Linkスケジューリング方式のアルゴリズムであるUL-DEDF が,実行効率の変動を抑制し,デッドラインミスを起こすことなくスループットを最大40% 向上できたことを示す.